派遣のメリット・デメリットとは?両方で働いて感じたこと

派遣生活

派遣で働こうか迷う…派遣かぁ…

派遣ってあまりイメージ良くないですよね。私もずっと正社員として働いてきたので、派遣で働くまでは本当にイメージが悪かったです。

くらちゃん
くらちゃん

派遣切り、給料安い、雇用が不安定…
いいニュースも聞かないしね

実際に働いてみると、予想通りデメリットも多いのですが、メリットも結構あると感じています。

この記事では正社員も派遣も両方経験した私が、派遣のメリット・デメリットを詳しく紹介します!

派遣で働くメリット

特定の専門スキルを伸ばしやすい

 派遣は求人に「この仕事をしてください」と書いてあります。特定の業務の人手が足りず求人を出すからです。選ぶ側としてはやりたい仕事かどうか選ぶ前にわかるので、伸ばしたいスキルに合った仕事を選ぶことができます。そのため狙ったスキルを集中的に伸ばすことができます。

専門から遠い分野でも就業しやすい

 派遣の採用ハードルは低いです。正社員で大卒・院卒枠で入るのはとても難しい会社でも、派遣だと容易に入ることができます。同じように専門から離れていても、基礎ができていそうであれば採ってもらえます。理系で言えば品質管理→研究とか、無機→有機、高分子とか、大枠で多少の共通点があれば問題ありません。
 ただ、がっつり文系の人が理系の研究職など、相当離れていると厳しいかもしれません。実際に私の就業先に面談にきた文系の人は落とされていました。相当に優秀だとか、20代前半で新卒みたいなものだとか、または多少なりともその分野をかじったことがある(資格がある、学習歴がある、趣味が共通している)などの組み合わせがあれば、可能性はあるかもしれません。

責任が少ない

 派遣社員は裁量が大きい仕事は任せられにくく、その分責任は限定的になります。社員のように膨大な業務と責任を負って休日も仕事のことが頭から離れない・・ということは全くありません。責任に苦しめられてきた人にはとても大きなメリットです。

働き方を決めやすい

 派遣は予め仕事内容が決められています。転勤もないので勤務地は固定ですし、就業時間も当然決まっており残業も一般にはほぼありません。条件の交渉もできるので理想の働き方を選ぶことができます。正社員のような理不尽な業務内容の変更や異動、残業はありません。
 私の知っている限りでも時短勤務の人や特定の曜日しか出社しない人、残業もほぼない人(ほとんどの人がないです)、特許調査などのかなり専門的な業務のみに従事している人など、その人の状況にあった働き方をしている人がいます。

合わなければ変えられる

 派遣の採用ハードルは低く、離職ハードルも低いです。契約期間さえ満了すればいつ辞めてもいいです。長期就業なら大体3か月更新なので3か月経過のタイミングで辞められます。就業して合わないと感じたら辞め、次の職場を探すことができます。何も咎められることはありません。正社員では強い引き留めがあったり面倒も多いので大きく違いますね。
 合わなければ変えられることはいろんな職場で働きたい私のようなhss型hspの人にもメリットですね。

職場にまともな人が多い可能性が高い

 派遣を募集している会社は千差万別ですが、比率としては大企業が多くなります。実際私の就業先も大企業で、派遣がたくさんいます(現場は派遣で回っているのではないかと思うほどです・・)。派遣の指示は社員のそれなりの立場にある人(多くは係長~管理職クラス)から受けるわけですが、大体は難関大学大学院を出て新卒からやっている人です。能力的には当然優秀で、大企業の理念を体現しているような人が多いので人格的にも優れています。つまり、まともです。立場が下の社員もそれなりに難関の選考をくぐってきているため全般にまともです。職場の同僚、特に直接指示を受ける指揮命令者がまともなことは非常に大事で、ストレスが大きく減ります。

同僚とは一定の距離を置いて付き合える

 就業先の社員からすると派遣は別会社の人なのでこちらの情報は言わなければ分かりません。プライベートの付き合いもないので、どこに住んでるだとか趣味、家族構成なども言わなければ分かりません。こちらが言いたくないそぶりを見せれば無理に聞いてこないので(無茶すると問題になるかもしれないので)、ある一定の距離感で付き合うことができます。これも社員にはないメリットですね。社員のようなウェットな付き合いは望まなければまずありません。無駄な飲み会に出なくてもいいし、職場の交流が嫌で派遣を選ぶ人もいるくらいです。

派遣会社のサポートがある

 派遣が社員と大きく違うのは派遣会社を嚙んでいる点です。派遣は派遣会社が派遣人材を就業先に労働力として提供して金銭を稼ぐビジネスなので、派遣会社としては何としても派遣先に長く働いてもらいたいです。営業担当からもひしひしとその思いが伝わってきます(査定に関わるのでしょうね)。そのため、労働上の問題には派遣会社のサポートが受けられます。パワハラがあった、契約より遥かに多くの仕事をやらされている、就業条件が契約と違う・・問題があれば解決に動いてくれます。前向きな時給交渉もしてくれます。また、営業担当と仲良くなれば友達みたいな相談もできますよ。

派遣で働くデメリット

スキルの幅が狭くなる

 派遣の仕事はほとんど現場仕事です。製造であれ事務であれ研究であれ「現場で業務を遂行する」ことが仕事です。つまり、身に付くのは現場スキルです。しかも業務が限定されているので、そのスキル幅も狭いです。現場採用でも正社員だと多能工化と称して色々な業務をやらせてもらえると思いますが、派遣は言ってしまえば穴埋めなのでそのような機会も少なくなります。つまりスキルの幅がどうしても狭くなってしまいます。年齢を重ねて転職する際に条件に出てくるマネジメントスキルなどは身に付きにくいです。マネージャー的な役割の派遣はほとんどいないと思いますので(長くやっているとリーダー程度の役割にはなれるかもしれませんが、管理側はほぼないと思った方がいいと思います)、例えば将来どこかの管理職を目指すなどのキャリア形成はしにくいです。
 考え方を変えれば「狭く深い」専門性を持つこともできるので、そういった面はメリットになります。

裁量が大きい仕事は任せてもらいにくい

 派遣は大きい仕事を任せてもらいにくいです。派遣先からすると外部の人間なので機密情報に触れるような仕事は任せることができませんし、限定された業務を派遣先社員の指示で行うので、勝手に仕事をすることはできません。何かあったときの責任問題もあります。必然と言っていいですが裁量の大きい仕事はできません。
 ただ段々と持たせてもらえる裁量自体は大きくなっていきます。私も派遣スタート時はただ言われた分析をやるだけでしたが、今は一つの実験を最初から最後まで自分でスケジュールを組んで行っています。

教育を受ける機会が少ない

 派遣先企業の従業員じゃないので当たり前ですが、教育を受ける機会は少ないです。派遣は特定の業務を実行してくれる人として雇われているので、その業務ができるものとして扱われます。つまり即戦力です。もちろん手順の説明等はありますが、それが終わると後は慣れていってねという感じです。教育は完全なOJTで、OFFJTはほとんどありません。とはいえ派遣先企業や所属部署の考えで大分変ってくるとは思います。長く働いてもらうこと(将来の直接雇用も含め)を見据えて教育の機会を与えてくれる会社ももちろんあります。私もお金のかからない無料の教育などは結構受けさせてもらっています。

理不尽に弱くなる

 派遣先企業からすれば派遣は他社の人間で、大きな問題が起こると会社間の問題になります。そのため理不尽な要求はされにくい立場にあります。社員であれば明らかに定時内では終わらないような業務を振られたり大量の飲み会に出席しなければならなかったりしますが、そのようなこともありません。これは大変大きなメリットですが、裏を返せば理不尽を経験する機会がないため理不尽に弱くなるとも言えます。
 私は多くの会社で働いてきましたが、理不尽でない会社と理不尽な会社があり、非理不尽→理不尽なな会社に就職したときに潰れてしまいました。年齢を重ねると気力・体力が落ちて逆境を跳ねのけるエネルギーがなくなってしまうので、理不尽耐性が下がります。私がつぶれたときは30を超えていたので20代前半のようなエネルギーはありませんでした。
 会社によってカラーは色々です。どの会社に行ってもやっていけるようにするには、ある程度の理不尽耐性を付けておく必要があります。そういう意味でも派遣ばかりして生きていくことはリスク(特に若い人には)もあると思います。

若干の疎外感・劣等感を常に感じる

 所属の違う人間が一緒に働くので当たり前かもしれませんが、仲間意識のようなものはあまり感じません。もちろん協力はするのですが、苦楽をともにした同期のような一体感は全くありませんし、この先もまずないでしょう。社員と派遣では得られる情報や置かれている立場も違うので業務上でも対等に話ができません。そのため若干の疎外感のようなものは常に感じます。これは仕事をバリバリやりたい人には結構辛いです。疎外感を感じたらやる気もそがれますし、言われたことだけやればいいんだなという気持ちになってしまいます。
 派遣は職場で立場が一番下に位置することが多く、劣等感も常に感じながら仕事をすることになります。派遣がつらい・・・ 派遣を見下す人間が一部いることも嫌ですね。こういった気持ちの問題は強い意志を持っていないと強いデメリットになるでしょう。 

給与や待遇が悪く、雇用が不安定

 これは言わずもがなです。給与や待遇は悪いです。しかも雇用は不安定です。働き方の自由さなどのメリットと引き換えみたいなところがあります。社員と同じ仕事(もしくは上のレベルの仕事)をしているのに給与や待遇が悪いのはつらいです。考えないようにした方がいいです。

まとめ:仕事に何を求めるのか明確にしましょう

 派遣はメリットもたくさんあります。働いて本当にそう思います。一方でデメリットがたくさんあるのも事実です。ただ、考えようによってはデメリットもメリットになったりするので、自分の能力や性格面をよく分析した方がいいと思います。
 個人的には派遣を選んで生きていくには強い意志が必要と思っています。私が思う派遣に向いている人は、仕事で不幸になりたくない人 です。自分は仕事に何を求めるのか?派遣にしろ社員にしろ、自己分析を重ねて選択を行うのが必須と思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました